ミューリサーチ

株式会社ミュー

Sensors and Materials



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  一般的な論文の構成

科学論文の基本構成は下記の通りである。この構成はジャーナルにより多少異なるので、投稿予定のジャーナルの投稿規定( Instructions to Authors)を確認すること。

Title( タイトル)
Authors ( 著者)
Affiliations( 所属)
Keywords( キーワード)
Abstract( アブストラクト)

Main text( 本文)
Introduction( 緒言)
Materials and methods( 実験材料および方法)
Results( 結果)
Discussion( 考察)
Conclusions ( 結論)
Acknowledgements( 謝辞)
References( 引用文献)
Figures and table captions( 図表のキャプション)

実際に投稿する際には、論文にカバーレターをつけて投稿する。カバーレターの中では論文の新規性をアピールするとよい。


それぞれのセクションに書く内容

① Title ( タイトル)
論文の内容が一目でわかるようなタイトルをつける。読者の目を引くという目的もあるので、簡潔に研究の新規性を伝えられるタイトルがよい。
「・・・に関する研究」にあたる"A study on"は省略する。
タイトルでは単語の最初の文字をすべて大文字にする場合と、最初の単語の最初の文字のみ大文字にする場合があるので注意する。単語の最初の文字をすべて大文字にする場合でも、前置詞や接続詞の最初の文字は大文字にしない。
例)
The Art of Writing Scientific Papers 
( 単語の最初の文字をすべて大文字にする場合)
The art of writing scientific papers 
( 最初の単語の最初の文字のみ大文字にする場合)

タイトルでは略語はなるべく使用せずにフルスペルで書いた方が、専門外の読者にもわかりやすく好ましい。

② Authors ( 著者)
ここに名前の書かれているすべての著者は論文の内容を理解し、内容に責任を持つ。著者の名前はイニシャルを使わず、フルネームで書く。

③ Affiliations ( 所属)
各著者の所属先の名称と住所を書く。複数の著者がいて、別々の所属の場合や一人の著者が複数の組織に属する場合など、それぞれ書き方にルールがあるので注意する。
郵便番号は都道府県の後に、コンマを付けずに続けて書く。
例)ABC University, 1-2-3 Sendagi, Bunkyo, Tokyo 113-0022, Japan

④ Keywords ( キーワード)
論文中で使用されている主要な用語を4–6個程度列挙する。

⑤ Abstract ( アブストラクト)
論文の内容を簡潔に伝えるものであり、論文で最も大切な部分の一つである。タイトルとアブストラクトは論文の他の部分と切り離されてホームページ上で検索されるので特に注意深く書く必要がある。一般的には200語程度( ジャーナルにより異なる)で、どんな問題に対して、どのような実験や解析を行い、どのような結果を得て、どのような発見や発明につながったかを書く。

論文に何が書いてあるかを示すものであるため、本来ならアブストラクトは現在形で書くのがよいが、実際の論文を読むと、論文中に何が書いてあるかを示しているアブストラクト( 現在形)と、著者がどんな研究を行いどのような結果を得たのかを書いてあるアブストラクト( 過去形)の両方を見かける。

アブストラクトは原則として一段落で書く。しかし、一部のジャーナル( 特に医学系ジャーナル)ではアブストラクトの中に、Purpose, Methods, Results, Conclusions のすべてを簡潔に書くよう求められる場合もある。

Main text ( 本文)
⑥ Introduction ( 緒言)
緒言の中では、(1) 自分の研究も含めてこれまで行われた研究成果を紹介し、残された課題や新しい提案を示し、(2) 研究の目的、つまりどのような問題に対して、どのような実験や解析方法を用いて、どのような結果を得ようとしているのか、を述べる。ここではすでに出版された論文を紹介することが多いので他文献の引用の仕方に注意する。
著者が一人の場合は
 "Sato reported that ..."、
二人の場合は
 "Sato and Suzuki reported that ..."、
三人以上の場合は
 "Sato and co-workers reported that ..." や "Sato et al. reported that..."
のように引用する。長い論文の場合は、論文の構成の概略も"Introduction"に記すとよい。本文では、一文のみから構成される段落は避ける。

⑦ Materials and methods ( 実験材料および方法)
実験や解析の方法を記す。他の研究者が追認試験を行う際に必要な情報、例えば、装置や薬品を用いた場合にはそれらの名前や製造会社名を正確に記す。すでに確立された手法を用いる場合は、その手法を詳細に書くのではなく、その手法が書かれている他文献を紹介すると簡潔にまとめることができる。この段落では実際に行ったことを書くので過去形になることが多い。

⑧ Results ( 結果)
理論や考察を展開するために、実験によって得られた結果を客観的に示す。図表や写真を用いて論理の展開を単純化すると良い(論文の頻出表現を参照のこと)。

⑨ Discussion ( 考察)
実験や解析の結果をもとに、図表を有効に使って、自分の解釈や議論を進める。その過程で、今回の結果がIntroductionで述べた問題をいかに解決したかを示す。

Conclusions ( 結論)
本論文の内容を短くまとめ、実験や解析の結果から導かれる結論を示す。時々アブストラクトと結論で同じ内容を述べている論文を見かけるが、これは良くない。

⑪ Acknowledgements ( 謝辞)
研究に協力してくれた人や組織の名前を挙げ謝意を示す。科学研究費補助金や財団から研究助成金を受けた場合はそれらを記す。
例) This work was supported by JSPS KAKENHI Grant Number 12345678.

⑫ References ( 引用文献)
文献を引用した場合は、その文献の著者、出版年次、ジャーナル名、ページ番号などをここに明記する。プロシーディング、本、ジャーナルなどの出版物の種類によりフォーマットが異なる。また、ジャーナル名は省略形で書かれることが多い。省略の仕方にも一定のルールがあるので、投稿予定のジャーナルの投稿規定を熟読すること。

ジャーナル名の省略形の例:
Sensors and Materials → Sens. Mater.
(The University of British Columbia の Journal Abbreviationsに関するサイトなどが参考になる)

著者が多数いる場合には、"et al." を使いたくなるが、referenceで"et al." の使用を禁じているジャーナルもあるので注意する。

⑬ Figure and table captions ( 図表のキャプション)
各図の軸ラベル、単位、図表のキャプションなど必要な情報は忘れずに書く。また図表のキャプションの中では短く簡潔な表現が好まれるため、冠詞( a,an,the)は省かれる傾向にある。図の説明の中では、事実を伝えるという観点から現在形を用いることが多い。
例) Fig. 1. SEM image of surface of kidney stone.
(文中の場合は、Figure 1 shows a SEM image of the surface of a kidney stone. のように冠詞が必要。)




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